日本酒の歴史
日本酒の歴史は、弥生時代の稲作とともに始まり、奈良・平安の朝廷、室町の寺院、江戸の灘・伏見、明治以降の醸造研究を経て、1990年の特定名称酒の表示ルールから世界へ広がった約2000年の物語です。
- 弥生
稲作とともに
米の酒は、稲作が広まった弥生時代以降に生まれたと考えられています。神様に供え、祭りで分かち合う酒は、今も神事と深く結びついています。
- 奈良・平安
朝廷の酒
朝廷には酒造りを担う「造酒司(さけのつかさ)」が置かれ、平安時代の法令集『延喜式』には、さまざまな酒の造り方が記録されています。
- 室町
お寺の酒
奈良の寺院で造られた「僧坊酒」が名酒として知られました。麹米と掛米の両方に白米を使う「諸白(もろはく)」など、今に続く技術がこの頃に育ちます。
- 江戸
灘・伏見と「下り酒」
冬に仕込む「寒造り」が定着し、大量生産が始まります。灘や伏見の酒は船(樽廻船)で江戸へ運ばれ、「下り酒」として人気に。灘では、ミネラルの多い「宮水」が見つかり、力強い酒を生みました。
- 明治〜昭和
科学の時代
国の醸造試験所ができ、酵母や酒母の研究が進みます。日本醸造協会が優れた酵母を「協会酵母」として配り始め、品質が大きく安定しました。戦中・戦後の米不足の時代には、アルコールなどを大量に加えた酒も造られました。
- 平成〜
吟醸と世界へ
1990年に「特定名称酒」の表示ルールが始まり、吟醸酒や純米酒が広く知られるようになります。地方の小さな蔵が個性ある酒で注目を集め、今では日本酒は世界中で飲まれています。