泡盛と焼酎の違い

泡盛は、黒麹で造った米麹と水だけを発酵させ、単式蒸留器で一度だけ蒸留する沖縄の蒸留酒です。法律上は本格焼酎(単式蒸留焼酎)の仲間ですが、原料の米をすべて麹にすること、麹が黒麹だけであること、仕込みが一度で終わることが、ほかの焼酎との大きな違いです。

法律ではどう決まっている?

酒税法では、泡盛は単式蒸留焼酎の一種です。そのうち「黒麹菌を使った米麹と水」だけを原料にして単式蒸留器で蒸留し、水のほかに何も加えていないものが「泡盛」と表示できます。アルコール分は本格焼酎と同じく45度以下で、45度を超えるものは原料用アルコールの扱いになります。

さらに、黒麹菌(アワモリ菌、Aspergillus luchuensis)の米麹と沖縄県内の水だけを使い、発酵・蒸留・貯蔵・容器詰めまで沖縄県内で行ったものは、地理的表示(GI)「琉球」を名乗れます。琉球は1995年6月30日に、壱岐・球磨と並んで最初に指定された酒類のGIのひとつです。ラベルの「琉球泡盛」は、このGIの表示です。

焼酎との4つの違い

泡盛本格焼酎(芋・麦など)
原料米麹と水だけ(多くはタイ米)麹 + 芋・麦・米・黒糖などの主原料
麹黒麹だけ白麹・黒麹・黄麹
仕込み一度(全麹仕込み)二度(一次仕込み+二次仕込み)が一般的
熟成3年以上で「古酒(クース)」貯蔵・熟成は蔵ごと
  • 全麹仕込み:原料の米をすべて麹にして、水と酵母を加え、一度で仕込みます。芋焼酎のように、あとから主原料を加える二次仕込みはありません。
  • 黒麹:黒麹菌はクエン酸をたくさん作ります。醪(もろみ)が酸っぱくなって雑菌が増えにくいので、暑い沖縄でも一年じゅう造れます。
  • タイ米:硬くてさらりとしたタイ米(インディカ米)は、黒麹菌が菌糸を伸ばしやすく、麹を造りやすい米です。1920年代ごろから、値段と品質の安定のためにタイ米が主な原料になりました。
  • 古酒:泡盛は寝かせるほど香りとまろやかさが育ちます。詳しくは古酒(クース)と仕次ぎで。

泡盛の歩み

蒸留の技は15世紀ごろ、シャム(今のタイ)などとの交易を通じて琉球王国に伝わったと考えられています。王府の時代には、首里城に近い三つの地区「首里三箇(しゅりさんか)」の職人だけが造ることを許された御用酒でした。

「泡盛」という名前が記録に現れるのは、1671年の江戸幕府への献上品の目録で、それまでは「焼酒」「焼酎」と書かれていました。

1945年の沖縄戦では多くの酒造所が焼け、古い古酒もほとんどが失われました。戦後、焼け跡の酒造所から見つかった黒麹菌で造りが再開された、という話が伝わっています。出荷量は2004年をピークに減り続けていて、いまは県外や海外への広がりが課題です。

造り方の流れは泡盛ができるまで、焼酎全体の歴史は焼酎と泡盛の歴史で。

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出典

  1. 国税庁「酒類の地理的表示一覧」
  2. 国税庁「地理的表示『琉球』生産基準」
  3. 沖縄国税事務所「泡盛技術情報ポータルサイト」
  4. 日本酒造組合中央会「焼酎・泡盛の分類」
  5. 国土交通省 観光庁 多言語解説文データベース「泡盛の特徴 なぜタイ米を使用するのか?」
  6. 国税庁「焼酎・泡盛の歴史」(パンフレット)
  7. オリオンビール「首里三箇とは?」
  8. 沖縄タイムス「泡盛の出荷14年連続減の理由」

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